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食べもの記

顧客と話がが弾んだは、成功か

 

 今月から購読者になって下さったF様宅に、初めての集金に行った。

 

 玄関の広い、素敵なお住まいにお邪魔して、お金とお釣りの受け渡しをした。

 

 F様は、60代そこそこの女性。ゆるいパーマの素敵なカットの髪型が似合っていて、自然な品の良さがある方だった。

 

 飼っている猫のことからはじまり、食べ物のこと、お店のこと、コロナの話など、次々に話し込んでしまった。

 

 次のお客様が、1時間後の予約だったので、時間はあったが、だんだん途切れない会話に、合いの手を入れるのがツラくなってきた。

 

 でも、悟られてはいけない。なるべく早く、着地点を見つけて上手く終わらせるのだ。

 

 さすがに時間の経過を感じたのか、F様は

 

「〇〇さん、初めてなのに、こんなにしゃべってしまって。ごめんなさいね」

 

「最後に、にゃんこちゃんを連れてくるからちょっと見て」

 

と、奥から愛するネコを抱っこしてきた。

 

 にゃんこと私は、目が合うなり人見知った。

 

「いやーにゃんこちゃん、緊張してますね、また次回、伺います😄」

 

と、にゃんこのピンと伸びた右前足を見ながらどうにか締めくくることが出来た。

 

 時間はなんと午後1時半。午前10時にF様宅に到着したはずである。

 

 3時間はさすがに時間のロスだ。

 

 暑さもあり、まぶたと頭が疲れている。

 

 そして次のお客様のA様は、お留守のようだった。当然か。焦りまくりで、会社に電話。状況報告。

 

 幸い、1時間後、A様に電話が通じて、事なきを得たが、時間を常にチェックするのに、スマホではだめだ。腕時計的なものや、ダミー腕時計は必需品だと思った。

 

 これだけ顧客に向き合っても、評価にならないばかりか、時間を管理できなければ失敗である。なぜできなかったのか、悔しい。過ぎたるはなんちゃらなり、という。